和歌山県(みかん県)にしかない少し変わった条例

色抜き条例(和歌山市)

第1条(目的)
この条例は、排出水の色等を規制することにより公共用水域の水質の浄化を推進し、もって市民の快適な生活環境を確保することを目的とする。

 

第2条(定義)
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 

(1)排出水 工場又は事業場[中略]から公共用水域に排出される水をいう。
(2)色等 排出水の色、濁り、温度及び残留塩素をいう。[以下略](前文より抜粋)

 

その正式名は「排出水の色等規制条例」

市内を流れる大門川は、環境省の「2004年度公共用水域水質測定結果」で、水質が全国ワースト2を記録。それ以外の年でも、水質が良くないほうの河川ランキングにおいて、上位の「常連」となっています。

 

原因のひとつとして考えられるのは、和歌山が合成染料工業の発祥した「繊維の街」であること。昔から大きな染め物工場が立ち並び、染料が混じった工場排水が流れ込めば、ときには大門川が赤や青など鮮やかな色に染まってしまうことも。

 

和歌山市の「色抜き条例」は、国の水質汚濁防止法では規制していない、排出水の「色」などを問題にする、一種の横出し条例です。できるだけ図面や表などを利用しながら、具体的に水の色を届け出るよう、市内の工場や事業所に義務づけています。

 

もちろん、大門川の水質悪化は工業排水だけが原因ではなく、市の下水道普及率が低いこと、川の流量や勾配が小さくてヘドロがたまりやすいこと、などの要素も複合的に絡み合っているそうです。

 

水の浄化に取り組むNPO法人などの力を借りながら、子どもが入って遊べる、魚や水棲生物が満足に生きられる大門川を取り戻すため、和歌山市の挑戦は続きます。

 

「ヘラブナ釣り大学」設立要綱(橋本市)

市が誇る日本一の地場産業である「紀州へら竿」と「ヘラブナ釣り」を、広く一般に普及する人材を養成すべく設立された実習教室。この「大学」の学長は、市長だと定められています。

 

中学・高校生は年1万円、そのほかの一般受講生は年2万円の負担で、月1回の講義を受けられますが、2008年を最後に休講してしまった模様。これからは90名の卒業生と協力しながら、市は「ヘラブナ釣り」と「紀州へら竿」の普及・振興を進めていくそうです。

 

知的創造活動促進条例(上富田町)

町に本社がある企業、町に住む個人・団体が、特許権(発明)や実用新案権(工業的アイデア)、意匠権(デザイン)、商標権(ブランド)、育成者権(新しい植物品種)といった知的財産権を取得するにあたって、中央省庁へ出願するのに手数料がかかる場合は、「奨励金」として町が全額サポートする条例です。

 

個人にまで枠を広げている例は全国的にも珍しいので、近所から変なオジサンとして敬遠されがちな「街の発明家」だって報われるかも?

 

環境維持基金条例(高野町)

ユネスコ世界遺産に指定されている「高野山」の環境整備を、世界中から募る寄付金で実施しようという、これも珍しい試みです。寄付金は1口5000円。その使い道は、歴史的環境保全・住環境基盤整備・地域活性化・安心・安全なまちづくり、の4つに絞りこまれています。

 

電線の地下埋設工事も着々と進められており、霊場をかかえる「宗教環境都市」にふさわしい雰囲気づくりに努めているのです。

 

梅新品種管理委員会条例(みなべ町)

バブル時代の遺産、竹下登内閣の「ふるさと創生1億円」で建てられた「うめ21研究センター」が、約20年がかりで開発した梅の新品種「みなべ21」。その新品種の普及事業などを行う委員会組織を定めた条例。その庶務は、町役場の「うめ課」が担当します。

 

ほかにも、うめ21研究センターは、梅の実にヘリコバクター・ピロリ菌(胃かいようや胃がんの原因)の働きを抑える効能があることも発見しており、ここに来て目覚ましい貢献を見せているようです。どんな道でも成果を出すには、長年の地道な努力が必要なんですね。